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公務員から大手企業の人事へ ~失敗から学び本命への転職を実現~

  • LocalX事務局
  • 2月19日
  • 読了時間: 9分

更新日:6月9日

地方公務員の民間転職を支援する、LocalX代表の岩切です。


この記事を読まれている方の多くは、公務員から民間企業へ転職を実現できるか少なからず不安を感じているかと思います。


本記事では、皆さんの不安を少しでも取り除くべく、地方公務員から大手上場企業の人事職に転職されたAさんの転職事例を紹介します。


公務員から一度目の民間転職は失敗に終わってしまったものの、その失敗から学び、むしろその失敗をチャンスに変えることで、結果として本命だった大手上場企業の人事職への転職を実現されたAさんの事例は、不安を解消するヒントが詰まっていることと思います。


皆さまの参考になれば幸いです。


※本記事で紹介する事例は、対象者のご協力のもと、個人情報を除外し、その他情報も一部加工の上、お届けしています。



目次


  1. 公務員を辞めて民間企業に転職した理由

  2. 人事職を断念し人材エージェントへ

  3. 入社後にまさかのトラブル

  4. 1度目の転職活動からの学び

  5. 人事職への再挑戦

  6. 「怪我の功名」——人材ベンチャーの入社がプラスに働いた

  7. 「ダメ元」で大本命企業へ挑戦

  8. 面接対策:逆質問も差別化

  9. 公務員の「ある部分」がまさのプラス評価に

  10. 短期離職のハンディを乗り越え人事職の内定獲得

  11. 考察:Aさんが本命へ転職実現できた理由

  12. 終わりに





公務員を辞めて民間企業に転職した理由


Aさん(20代、女性)は、大学を卒業後、地方自治体で行政職として約4年間勤務しました。


元々の成長意欲の高さと公務員の社会貢献性への魅力も相まって、長時間労働をいとわずモチベーション高く働いていました。


ただし、ハードワークを続ける中で、年功序列型の人事制度下で成長意欲を保ち続ける難しさと、公務員という閉鎖的な世界で定年まで過ごし続ける怖さを感じるようになり、民間企業への転職を決意しました。



人事職を断念し人材エージェントへ


民間企業に転職するにあたり、公務員時代に培った事務経験を活かしたバックオフィス業務が良いのではと考えたこと、その中でも年功序列型の人事制度下で働いた原体験から人事分野に興味を持っていたことから、未経験でも応募可能な人事職を中心に転職活動を進めました。


ただし、未経験で応募できる求人が限られていたこと、そして未経験のバックオフィス系だと年収が大きく下がってしまうこと、そして思うように選考が通過しなかったことなどが重なり、苦戦を強いられていました。


そのような中、転職サイトにて、ある人材ベンチャーからスカウトメールを受け取ります。


同企業は人材紹介事業を手掛けているとのことで、企業の人事職ではないのものの、企業の採用支援に携われること、そして年収も現職水準をキープできること、そしてとんとん拍子に選考が進み内定をもらえたことから、十分な情報収集は出来てなかったものの、入社を決めました。



入社後にまさかのトラブル


しかし、入社後に予期せぬ問題が発生します。事前に合意していた労働条件や環境が実際とは異なっていたのです。さらに悲惨なことに、その当時の人事担当者は既に退職済みであり、当時の合意内容が書面にも残っていなかったことから、確認ができませんでした。


社長にも何度も相談しましたが、同社としては内情を分かった上で入社してもらった認識であり、労働条件や労務環境をすぐに改善するのは難しいとの説明でした。


そのような中、短期離職が転職市場で不利になるリスクを理解しつつも、この環境で働き続けることは双方にとって好ましくないと考え、転職後わずか2ヵ月で再び転職活動をすることになります。



1度目の転職活動からの学び


初めての転職活動では「限られた情報を基にした判断」が、結果としてトラブルを招いた要因となりました。


労働条件での書面合意などは本来は一般的な手続きですが、初転職ゆえにそのプロセスを良く分かっていなかったこと、そしてスカウトを受けた企業についてのリサーチが不十分なまま入社を決めてしまったことが反省点でした。


ただし、Aさんはこの経験から大いに学び、次の転職活動では、本命だった企業の人事職への転職を実現することになります。



人事職への再挑戦


Aさんは、1度目の転職活動での反省を踏まえ、今回の転職活動ではより多角的に情報収集を行い、意思決定の精度を上げることを意識しました。具体的には、前回活用しなかった転職エージェントを利用し、企業のリアルな内情を把握しながら選定を進めることとしました。


また、転職直後で業務が忙しい事情もありましたが、応募企業を厳選の上、自身での情報収集も厚めにすることで、より詳細な実態把握に努めました。



「怪我の功名」——人材ベンチャーの入社がプラスに働いた


ここで「怪我の功名」が起こりました。人材ベンチャーでの経験が、思わぬ形でプラスに働いたのです。経験が浅いながらも、現職で企業の採用支援業務に携わったことで、一部の企業では求人の必須要件を満たせるようになりました。


また、短期離職による企業側のマイナスイメージも懸念されましたが、理由を丁寧に説明すれば、一定の理解を得られることが分かりました。


とはいえ、人事職としての実務経験が浅いことや、公務員出身という経歴が懸念材料となる企業も多く、書類選考の通過率は依然として低めでした。


しかし、ターゲットを絞った転職活動の結果、上場企業やスタートアップ企業を中心に2〜3社の書類選考を通過し、面接へ進むことができるようになったのです。



「ダメ元」で大本命企業へ挑戦


そんな中、エージェント(弊社)から提案を受け、日本を代表する大手企業の人事職 への応募を決意しました。


この企業は採用基準が非常に高く、内定獲得が難しいことで知られており、Aさん自身も選考通過の可能性は無いに等しいと感じていました。


しかし、すでに短期離職というリスクを背負っている以上、「失うものはない」 という考えで、思い切って挑戦することにしました。



「ダメ元」の挑戦でも、準備は徹底的に


ダメ元であっても、Aさんは万全の準備を尽くすことを決めました。


まず、エージェントと連携しながら、応募企業のビジネスモデル、企業文化、採用方針、求める人物像 を徹底分析。公式サイトや採用ページにとどまらず、プレスリリースや有価証券報告書などの一次情報にも目を通し、企業の経営戦略や成長方針を深く理解しました。


次に、企業の求める人物像と自身の経験を照らし合わせながら、志望動機・職務経歴・自己PRの再構築 を実施。エージェントからの推薦状にも、これらのポイントを反映させ、第三者視点からの補強も行いました。


こうした準備を徹底した結果、予想外にも書類選考を通過し、面接へ進むこととなりました。



面接対策:逆質問も差別化


Aさんは、エージェントと二人三脚で面接対策を進めました。


応募時に整理したロジックとストーリーを基に、想定質問への回答を整理の上、スムーズに回答できるよう繰り返し練習を行いました。


また、逆質問についても、面接官へのアピールの重要な機会との助言を踏まえ、志望動機と関連付けながら、事前リサーチに基づく、他の応募者が聞かないような突っ込んだ質問を2~3個用意しました。



公務員の「ある部分」がまさのプラス評価に


入念な準備のおかげで、面接では落ち着いて受け答えができました。驚いたのは、面接官が公務員時代の「ある経験」に強い関心を示したことです。それは、意外にも公務員時代の残業時間の多さでした。


Aさんは業務を効率的に進めることを心掛けていましたが、それでも業務量が多く、結果的に残業は恒常的に発生していました。そして、残業時間を強調することは転職活動ではマイナス要素になると考え、自ら話すことはありませんでした。


しかし、面接官から質問を受けたため正直に説明したところ、想定外の好反応を得ました。真意は不明ですが、推測するに、業務効率が悪い人材ではないと認識してもらった上で、「仕事に対して情熱を持ち、ハードワークできる人材」 と評価されたためではないかと思われます。


もちろん、この評価はこの企業特有の視点の可能性がありますが、公務員としての働き方が民間企業では意外な強みとして評価される可能性がある という新たな視点を得ることができました。



短期離職のハンディを乗り越え人事職の内定獲得


無事最終面接に進み、面接でも手ごたえを感じつつも、狭き門ゆえにダメ元との気持ちから、最後まで半信半疑の状態が続いていました。


しかし、最終面接から数日後、まさかの内定の連絡がきたのです!


そして驚くべきことに、提示された年収は、公務員時代および現職と比較して約200万円もアップするものでした。

念願だった人事職に日本を代表する企業で携われるだけで大満足の中、大幅な年収アップという思わぬ結果もついてきました。


紆余曲折を経た転職活動でしたが、公務員から民間企業へのチャレンジは、最終的に理想的な形で幕を閉じました。



考察:Aさんが本命へ転職実現できた理由


以下の3点が、短期離職のハンディを乗り越え、大手上場企業の人事職の内定を獲得できた要因と考えます。


1. 一貫したストーリーの訴求

弊社エージェントと二人三脚で、企業が求める人物像から逆算してAさんの強み・弱みや経験・スキル等を整理の上、企業にとってAさんの魅力が最大化されるすローリーを構築し、それを応募書類(履歴書・職務経歴書・推薦状)に落とし込みました。


その上で、面接対策では、想定質問を洗い出した上で、どのような質問に対してもコアとなるストーリーはぶらさず回答できるよう、複数回面接対策を行いました。また、逆質問においても、しっかりと準備すれば差別化になるとの考えのもと、Aさんの興味・関心に関連する情報をIR等からピックアップし、自身の志望動機と紐づける形で突っ込んだ内容の質問を用意しました。


2. 短期離職の経験を活かす柔軟な発想

短期間ではあったものの、ベンチャー企業での人材紹介事業の実務経験により、未経験ではなく実務経験ありとして複数企業の応募が可能となったことに着目。短期離職となってしまった背景は企業側に丁寧に説明しつつ、人事職への情熱と活かせる経験を訴求することで、結果として内定先の企業の選考プロセスに乗ることができました。


3. もともとの素養とパーソナリティ

上記の1、2の要素に加えて、Aさんが持っていた論理的思考力やコミュニケーション能力、そして成長に対するモチベーションの高さなどは、内定先の企業からも評価されたポイントでした。



終わりに


ここまでお読みいただきありがとうございました。

本記事が、公務員から民間企業へ転職を検討されている方々の参考になれば幸いです。


今後も公務員の民間転職の事例や転職のノウハウを発信していきます。


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