公務員から民間企業への転職ガイド➀ 〜 企業ニーズから逆算した「3つの戦略的アプローチ」〜
- 優奈 後藤
- 6 日前
- 読了時間: 6分
更新日:2 日前

【想定する読者】
自らが望むキャリアや人生を実現するために、公務員から民間企業への転職を検討している方
※本記事では地方自治体職員の方を主な対象としていますが、その他公務員の方にも参考になる部分があるのではと考え、あえて公務員と主語を大きくしています。ご自身の立場に置き換えながら取捨選択のうえ活用いただければ幸いです
【本記事のポイント】
公務員の民間転職には、武器の使い分けによる「3つの戦略的アプローチ」が存在する
「専門性がない」という不安は、民間ニーズの理解不足から生じている
自分の方向性に適したアプローチを選ぶことで、選考通過の確率は大きく変わる可能性あり
目次
はじめに:公務員経験者150名との対話から見えてきた「情報の溝」
皆さま、はじめまして。公務員の民間転職を支援しております、LocalX株式会社です。
私たちは約1年前から、自治体職員を中心とした行政職の方々のキャリア支援に特化して活動してきました。これまでに約150名の公務員の方々と面談を重ね、同時に、公務員経験者の採用に強い関心を持つ民間企業100社以上と対話してまいりました。
その中で確信したことがあります。それは、「公務員にはスキルがない」のではなく、「民間企業が求める形にスキルを翻訳できていないだけ」だということです。
「公務員の民間転職」は、まだ世の中に正解が確立されていない領域です。しかし、私たちが現場で得た知見を整理したところ、企業ニーズから逆算した「3つの勝利パターン」が見えてきました。
公務員という安定を糧に、新たな挑戦へ踏み出そうとしている皆さまが、一歩目を踏み出すための羅針盤として本記事をご活用いただければ幸いです。
公務員から民間転職の動機:不安は成長意欲の裏返し
公務員の方々の転職動機は様々ですが、弊社に相談いただく中で最も多いのは「専門性の欠如への危機感」です。
3年周期のジョブローテーションにより、特定の分野を極める前に異動が重なる。「自分はこの役所の外に出たら、何もできないのではないか」という不安。社会人としての市場価値が高まっていない感覚に、焦りを感じている方が非常に多いのが実情です。
しかし、この不安は「もっと社会に貢献したい」「自らの力で生きていきたい」という高い成長意欲の裏返しでもあります。そのエネルギーを適切な方向に向けられれば、民間への道は必ず拓けます。
直面する2つの壁
転職活動にあたり、多くの公務員経験者の方が以下の2つの壁に直面しています。
自己理解の壁:「そもそも自分が何をしたいのか」という軸が定まらず、自己分析が止まってしまう
市場理解の壁:「自分の経験が、民間企業のどの業種・職種に必要とされるのか」分からない
特に2点目の「市場理解の壁」は、公務員時代の経験やスキルを民間企業の言語とニーズに『翻訳』する方法を理解することで対処しやすくなります。
そこで本記事では、ご自身の経験を翻訳し企業のニーズに訴求していく方法について解説します。
民間企業のニーズはなぜ分かりづらいのか
求人サイトを見ても企業の募集内容が自分を求めているか分かりづらいのには理由があります。
求人の表記がバラバラ: 企業によって「公務員」「官公庁出身者」「行政経験」など表現が異なり、検索に引っかかりにくい
「隠れたニーズ」の存在: 求人票にはスペースの都合上「自治体職員経験者」としか書かれていない場合でも、実際には、1.行政の意思決定プロセスを深く理解している、2. それを踏まえて社内外の利害を調整しながら営業活動を進められる、という2つのニーズを含んでいるケースがあります
ニーズを適切に捉えられない結果、「条件は満たしているはずなのに書類選考で落ちる」というミスマッチが多発してしているようです。
ただし、求人票には現れていない企業の本当のニーズについては、現実的な問題として企業人事と直接話をすることで分かる部分が多々あり、求職者の方々がそれを把握するのは難易度が高いのも実態です。
よって、転職エージェントを上手く活用したり企業の説明会に参加し直接質問するなどしながらニーズの本質を探っていくことが重要となります。
評価されるスキルを民間の言葉に翻訳する
では、企業は公務員出身者の「何」を評価しているのでしょうか。私たちが企業との対話を通じて見出した、高く評価されるスキルの正体は、大きく分けて以下の5つです。
行政の知見(ドメイン知識): 行政特有の意思決定フローや予算編成、法解釈のプロセスに関する深い理解
正確性(デリバリー品質): 緻密な事務処理能力と、細部まで妥協しない業務遂行の精度
信頼(ガバナンス意識): ミスが許されない環境で培った「法規遵守」の姿勢と高い倫理観
推進力(調整力): 複雑な利害関係をまとめ上げる、粘り強い「合意形成」力
思考力(文章作成力): 誰が読んでも齟齬がない、ロジカルな「ドキュメンテーション」の型
これらの価値は、公務員の世界では「当たり前」であり、強みだと気づきにくいものです。しかし、公務員の採用にニーズのある民間企業から見れば、これらを兼ね備えた人材は「組織の屋台骨を支え、事業を加速させる貴重な人材」になり得ます。
この「当たり前」を民間企業の言語に正しく「翻訳」して伝えることが選考通過の確率を上げるポイントの一つです。
公務員の民間転職を実現する「3つの戦略的アプローチ」
企業のニーズを押さえ、自身の魅力を翻訳した上で、皆さまが「何を武器にして戦うか」ですが、大きく分けて3つの戦略に分類されます。
公務員経験を「最大限」に活かした転職(自治体関連事業のに営業・事業開発・コンサルティングなど)
公務員経験を「部分的」に活かした転職(管理部門など)
公務員経験を「あえて」活かさない転職(営業職やエンジニアなど)
どの方向性を目指すかで取るべきアプローチが異なってきます。次回の記事では、この3つのアプローチについて、それぞれの具体的なニーズ(対象業種・職種)と自身の経験・スキルの翻訳方法について解説していきます。
【公務員からの民間転職】を具体的に検討したい方へ
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